被爆者の証言集より
第1集 1988年4月発行
第2集 1996年2月発行

第3集 2005年8月発行
第4集 2016年4月発行

【広島】
原爆は絶対作ってはなりません〔第4集〕
宮井 マサコ (広島、爆心から3.3km、当時16歳)

その日市内の立退き疎開にあたっていた中学生の一人が助けを求めて必死に走って飛び込んできました。上半身裸で、学生帽の下から体全体がひどく火傷を負って、額の皮膚が眉毛のところでぶら下り、顔は赤黒くはれ上がり、「熱いよ、助けて」と叫ぶのです。……その年の10月、田舎の伯母の家に行くことにし、夜遅くにやっと着きました。着くなり、倒れこんでしまい、何日も熱が続き、歯茎からは出血し、食べても下痢をしてしまいます。
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広島の惨状を忘れない〔第4集〕
茂木 松雄 (広島、入市被爆、当時19歳、軍人)

広島市に入ると、街は見るも無残な廃墟と化していた。一望千里、焼け野原である。死体がそのまま散乱し、さながら生き地獄であった。死体を山積みにしたトラックが目の前を何台も通過していく。……
毎年8月6日が来ると、あの原爆投下直後の広島を思い出し、犠牲になった方々や戦友の冥福を祈っている。世界の人々にも、広島・長崎のあの惨状に思いをはせていただきたい。核兵器は二度と使ってはならない。
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殺し合いの戦争は決して許されない〔第4集〕
吉田 ミキ (広島、爆心から1.4km、当時20歳、看護師)

私は広島陸軍病院に勤務し20歳の時に被爆しました。
放射能による様々な後遺症に苦しんできました。戦後間もなく骨髄機能障害で白血球、赤血球が著しく減少し、再生不良貧血となりました。当時の医師はそれが原爆によるものとは知らなかったため、適切な治療を受けることができませんでした。
その後肝臓の機能にも障害がある事がわかり、更に10年前には左乳がんの摘出手術を受け、6年前には肺がんのため入院し放射線治療を受けました。
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私の原爆体験記〔第4集〕
脇神 昭悦 (広島、入市被爆、当時18歳、軍人)

基地飛行場に降りて宿舎へ戻る道を歩いていると、格納庫や倉庫、兵舎などの建物から苦痛に呻く人の声が聞こえてきました。火傷の痛さに苦痛の声を上げ、毛布1枚を敷いて床に転がっているのです。まともな治療をしてやることはできませんでしたが、年配の兵士の提案で、倉庫に保管してあった飛行機整備用のヒマシ油を次々に塗ってやりました。助ける術をもたない辛い思いは無念としか言いようがありません。
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【長崎】
長崎で被爆して70年〔第4集〕
伊藤 元枝 (長崎、爆心から5km、当時7歳、生徒)
石川 尚美 (長崎、爆心から5km、当時5歳) 姉妹

「ああ、きてる!あれは絶対にアメリカのだ」と私が言ったら、それで姉も窓の方にきて2人で柱に掴まりながら覗いてみたの。そのとき、パアッとマッチを点けて消すくらいの一瞬の光が光ったの。それで急いで押し入れがある奥の方へ向かったんだけど、もう襖もなくて、畳もぱかぱかとめくれあがっていてね。家は土の壁だったんだけど、それもぼろぼろと落ちていってた。それが原爆だったんだって気づいたのは、宮崎に行ってからだけどね
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世界の人たちへ そして原爆を知らない若い人たちへ〔第4集〕
廣田 凱則 (長崎、爆心から3.3km、当時7歳、生徒)

私は爆心地より3.3km離れた長崎市鳴滝町で原爆の被害を受けました。8月9日、その日は雲ひとつなく良く晴れた日でした。自宅前で竹馬に乗って遊んでいました。その時、飛行機の爆音が聞こえて来たので家に入ったのですが、その途端ピカーッと光り、ものすごい音と爆風が押し寄せてきました。母が「防空壕へ!防空壕へ!」と大声で言うので、一目散で社宅5軒の共同防空壕へ逃げ込みました。
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被爆者は訴える ふたたび被爆者をつくるなと〔第4集〕
宮本 須美子 (長崎、爆心から6km、当時7歳、生徒)

爆心地から6km離れた防空壕に入っていた私たちは、何が起きたか全くわからないままだった。夕方、兄が学校から帰り、こしき岩に陣地構築に行っていて九死に一生を得た、そのまま学校にいたら死んでいただろうと話していた。……2日後、米軍が上陸して老人や子供は殺害されるという流言飛語が流れたので、父の実家に疎開することになった。ところがそこに行くには爆心地を通らなければならない。……爆心地は焼け野が原となり、死臭が漂い、大橋の下には水を求めて人々が重なり合って亡くなっていた。
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