被爆二世プラスの会 


広島や長崎で原爆に遭った人々の被爆体験と核兵器廃絶への思いを受け継ぎ、次代に伝えるとともに、被爆二世が抱える健康不安に対処する取り組みを進めている。これまでに、被爆者の証言を聞く「じっくり聞こう被爆体験」、「二世が語る夏(父母から聞いた被爆体験発表)」などを実施し、ヒバクシャ国際署名への協力はじめ北海道被爆者協会が実施するさまざまな事業を手伝ってきた。被爆二世無料健康診断の案内が道から直接本人に届くようになるという成果も挙げた。
被爆二世に限らず、広く門戸を開いている。会の趣旨に賛同し、ともに活動していただける方はもちろん、陰ながら支援していただける方々の入会も歓迎する。


【会の設立経緯と目的】

被爆者の高齢化が進み、近い将来、被爆者が直接被爆体験を語り、核廃絶への思いを伝えることができなくなる。しかし、ふたたび被爆者をつくらないため、被爆という悲惨な体験を伝える活動を途絶えさせてはならない。危機感を持った北海道被爆者協会は、2016年10月、同協会が把握する被爆二世に、親の体験を語り継ぐため、会を設立するよう呼びかけた。
翌2017(平成29)年5月28日、被爆二世12人に被爆者、支援者を加えた30人が、札幌市中央区大通西12丁目の北海道高校教職員センターで川去裕子を代表世話人とする「被爆二世プラスの会北海道」を立ち上げた。帯広の土谷節子が母親の被爆体験を語り、二世としてこれからも伝え続けていきたい語った。
会の目的は①被爆者の被爆体験を学び継承することに努める②被爆二世としての健康不安や要求を語り合い、行政にきちんとした対応を要望していく③被爆の問題を他の被ばく問題ともかかわらせ、広い視点で考える④「ふたたび被爆者を作らない」ために核兵器廃絶に向けて取り組む―の4つ。
2019年から役員体制を整え、代表世話人だった川去裕子が会長に就任。コロナの感染拡大のため2020年は会員のつどいを10月に実施、渓口正裕が親の被爆体験を語った。現会員数は約50名である。
会の設立経緯と目的
2019年の会員のつどいの一コマ
【主な活動】

じっくり聞こう被爆体験(3回シリーズ) 札幌平和委員会青年部との共催で、親の世代の被爆体験を時間をかけてじっくり聞いた。第一回は2017年9月に服部十郎さん、第二回は同12月に松本郁子さん、第三回は2018年5月に金子廣子さんが、それぞれ被爆体験と原爆症への不安を抱えたその後の生活などについて語った。いずれも被爆地は広島で、服部さんは当時16歳の少年兵、松本さんは12歳、金子さんは5歳だった。

二世が語る夏
父母の被爆体験を語る取り組み。毎年7月に北海道被爆者協会が北海道庁ロビーで開いている原爆展で、被爆者が被爆体験を証言しているが、2017年の原爆展から被爆二世も父母の体験を語り始めた。この年は松田ひとえ、2018年は川去裕子と大谷博、2019年は松田、川去、大谷の3人が、2020年は川去が担当した。原爆展のほか、2018年はマシオン恵美香が、ノーモア・ヒバクシャ会館で開いたジョー・オダネル写真展で、土谷節子・松田ひとえが市民のつどいで、2019年には川去裕子、大谷博がノーモア・ヒバクシャ会館の見学者に、2020年には川去裕子が市民のつどい、松田ひとえが修学旅行の事前学習で高校生に、それぞれ親の被爆体験を語り核兵器の恐ろしさと平和の大切さを訴えた。

二世健診の充実を求めて
北海道被爆者協会が2017年に実施した調査によると、道内の被爆二世の約3分の1が親が被爆していることに伴う健康への不安を抱えている。被爆二世は、年一回、無料で健康診断を受けることができるが、この制度を知る被爆二世は約半数に過ぎない。このことを受け、北海道被爆者協会が被爆者支援制度の充実を道に求める交渉の場に、被爆二世プラスの会川去会長が同席し、二世健診の充実と周知の強化、二世手帳の発行を求めてきた。これまで、被爆二世への健康診断の案内は、被爆者手帳を持つ一世への案内に同封(または付記)されているだけだったが、この活動が実り、2019年からプラスの会が提示した被爆二世に直接案内が届くようになった。しかし、プラスの会が把握していない被爆二世もこの制度を知ることができるよう、より積極的に周知に努めることが必要で、今後も健診内容の充実や二世手帳の交付と合わせて道に要請していく。 
主な活動
広島ピースツアー
2019年9月に実施。被爆二世、被爆者、プラスの会会員合わせて9人が参加した。一日目はリニューアルされた原爆資料館を見学、二日目は各自が父母の被爆地を訪問した後、広島の被爆二世の案内による平和公園の碑巡り(写真参照)、三日目は被爆直後に被爆者が運ばれた似島を訪ね、四日目に自由行動後、北海道に帰る三泊四日の日程。原爆のすさまじさを示す記録と悲しみの記憶と歴史を学んだ参加者は文集「心の中に残る旅-広島ピースツアーに参加して」に感想をつづった。

情報の提供・交換
年一回の会員のつどいおよび年二回のペースで発行している会報で、会の活動や行事の予定を周知、被爆二世が抱える悩みや課題をクローズアップするなど、情報提供、情報交換、情報の共有化を図っている。ノーモア・ヒバクシャ会館ホームページに設けられた被爆二世のコーナーも情報提供・交換の場として活用していく。
二世プラスの会入会のご案内

会費は年1000円。
連絡先は北海道被爆者協会
(電話011-866-9545)気付
被爆二世プラスの会北海道
一般社団法人 北海道被爆者協会
北海道ノーモア・ヒバクシャ会館
〒003-0029 札幌市白石区平和通17丁目北6-7
電話・FAX 011-866-9545
お問い合わせメールフォーム
■開館日  毎週日・月・火の3日間 ただし祝日は休み
ただし、団体または5名以上のグループでの見学を希望される方は、通常の開館日以外でもご相談に応じます。
■開館時間 10:00~14:00
■2025年4月1日より
ノーモア・ヒバクシャ会館は学校法人北星学園の管理運営となりますが、当分の間現行通り開館致します。
被爆者による語り部、会館展示物の説明等は新しくできる北海道被爆者連絡センターが窓口となって対応します。
※電話・FAX、メール、ホームページは北海道被爆者協会のものを引き継ぎます。
■入場料  無料
■アクセス方法
・JR千歳線:普通電車で平和駅下車・長い歩道橋を右へ、出口の前
・タクシー:地下鉄東西線南郷18丁目駅より約5分
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