被爆者の証言集より
第1集 1988年4月発行
第2集 1996年2月発行

第3集 2005年8月発行
第4集 2016年4月発行

【広島】
友の叫びは今も耳に〔第4集〕
小清水 光子 (広島、爆心から1.2km、当時17歳、学生)

私はチャペルに出席し、……講堂から出て廊下の折れ曲がった角まで来ていました。その時、青赤いような稲妻のごとき閃光が前を通り抜けました。
気が付きましたら屋根の下敷きとなって、梁の下に倒れていました。屋根の外に出ると講堂も校舎もペッシャンコとなり、すでに火の手があちらこちらから上がっておりました。教室に残っている友は校舎の下敷きになって、机に挟まり、火の手が回って来ても逃げられず、生き地獄です。
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1945(昭和20)年の8月6日に〔第4集〕
齋藤 シヅ子 (広島、爆心から2.8km、当時22歳)

朝8時過ぎだというのに空は真っ暗になっています。……いろいろな人が次々とこちらに向かってきます。水‼水‼と叫びながら次々と走ってきます。服は焼け腕も真っ赤に焼けただれています。妹は身体中に発疹ができて熱もあります。私も風邪を引いたみたいに熱が出てきました。私は戦後北海道に帰ってきました。しかし、体調がおもわしくなく、数限りなく病気をしましたし、手術もしました。それが原爆だと知ったのは随分後になってからです。
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一瞬の原爆投下 〔第4集〕
佐藤 茂 (広島、爆心から2.2km、当時17歳、軍人)

一瞬の出来事の後、電車が脱線して止まり私も夢中で外に出た。すると、どうしたことか、朝から目の覚めるような青空であったはずの広島市が真っ暗ではないか。やがて段々と明るくなり、倒壊した家屋が一面に 広がる死の街の広島が見えてきた。
誰かが「俺についてこい」と言った。私は声の後ろに続いた。みんな異様な姿をしている。頭や顔から真っ赤な血が噴き出ていた。衣服はボロボロで、皮膚は露出し垂れ下がっている。男女の区別もつかない。すぐに広島市内に火の手が上がった。
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私の被爆体験〔第4集〕
眞田 保 (広島、爆心から1.5km、当時7歳、生徒)

原爆は多くの人の「いのち、からだ、こころ、くらし」を破壊しました。
……小学校の高学年の頃です。友達から『出身地は?広島か?』と聞かれたのでそうだと答えると「うつる」「近づくな」と言わんばかりの扱いを受けました。……結婚する時も悩みました。相手に「私は被爆者です」と告げるべきかどうか、結婚できても生まれてくる子どもは果たして五体満足だろうかなどと悩みました。結婚し、未熟児で生まれた子には大変不安で悩みました。
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忘れられない8月6日の記憶〔第4集〕
上坊寺 信蔵 (広島、爆心から約4.5km、当時21歳、軍人)

運命の8月6日午前8時15分、……戦友と洗濯中に異様を感じ、急いで表に出てみました。すると、市内上空に黄色いような青いような雲が立ち込め、同時に生暖かい強烈な爆風が吹いてきて、2人ともその場から吹き飛ばされてしまいました。……20分くらい過ぎた頃でしょうか。あたりは次第に異様な雰囲気になり、うめくような声とともに、被災者の集団がこちらに向かってくるのです。
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核兵器は悪魔です〔第4集〕
鈴木 靖美 (広島、爆心から2.2km、当時1歳)

今でもサイレンの音を聞くと急に心臓が高鳴り不安になるのです。幼児の頃に受けた記憶が潜在意識の中にあって、そうなるのではと思っています。42歳の時に肝臓病にかかって入退院を繰り返し、8年ほど前には脳梗塞になりました。字を書く時は今でも手が震えます。3年前に甲状腺に異常がみつかり現在経過観察中です。
今後日本がどの方向に向かうかわかりませんが核兵器だけは何としても撲滅してもらいたいと思います。
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0歳の被爆者〔第4集〕
田村 富子 (広島、爆心から1.6km、当時生後8か月)

祖母はガンですぐに亡くなりました。被爆時8歳だった姉もガンで苦しんで、幼子たちを残して36歳の若さで壮絶に逝きました。被爆時0歳だった私は、酷い後遺症に苦しんできました。必ず50歳までには死ぬだろうと、自らの生命の限界を恐怖として心にとどめ、消すことはできずに生きてきました。今に至るまで身体がだるくて疲れやすく、フトンの重さにも耐えられません。小さい頃からの耳鳴りも続いていますし、身体中に紅斑がでて消えません。
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